2013年5月7日火曜日

陰謀論的なものについて


Why people believe in conspiracy theories(なぜ人々は陰謀論を信じてしまうのか?)
Howconspiracists think (陰謀論者はどのように物事を捉えているのか?)

最近この二本の記事を改めて読んでみた。
記事を読むのがめんどくさいという人のためにざっくばらんに要約すると


前半の記事だが
  • 科学的な証拠を信じなかったり、あるいはそれらを都合のいいように解釈したりする人を陰謀論者と定義する。陰謀論は支配感を人々に与える。人々は無作為なものが嫌いなので、なにかのメカニズムが裏に働いていると考えてしまう。

  • 「政治的に○○な人が陰謀論者になりやすい」とかそういうことはない。左だろうが右だろうが陰謀論者にはなりうる。またばかな人ほど陰謀論者になりやすい、といったこともない。いい学校を出てる「賢い」人も陰謀論者になることは全くあり得る。

  • 社会への不満、社会からの疎外感、そういったものが人間を陰謀論者に変えてしまう。陰謀論は社会のどんな(extraordinaryな)出来事にもついてまわる。そしてそれは人々の欲求を満たしている。つまりそれらを「取るに足らない」と捉えるのではなく、その欲求を理解した上で他の方法を提示することが大切。


後半の記事は
  • 長い間、アメリカの心理学者たちは陰謀論者をparanoid(偏執狂)でdelusional(妄想的)なものとしか捉えていなかった。

  • しかしこのようなpathological(病気として捉えるような)な考え方は不十分である、というのも、陰謀論はparanoidminorityについてだけ「ではない」からだ。37%のアメリカ人が地球温暖化をhoax(間違った警告、あるいはでっちあげ)と捉えていたり、21%のアメリカ人が政府がエイリアンの証拠を隠していると考えていたり、あるいは28%のアメリカ人が一部の特権エリート階級が世界を支配していると考えている。

  • ある陰謀論を信じる人は他の陰謀論も同様に信じやすい一方、いくつかの矛盾した陰謀論が存在する。しかし「ビンラディンはまだ生きている」「ビンラディンは米軍が突入する前にすでに死んでいた」という、論理的に破綻した二つの陰謀論を人々は同時に信じてしまう。つまり人々が陰謀論を信じる理由は、何か特定の要素があるからではなく、陰謀論的な考えを裏付けてくれる、より高度な信念によるものであり、言い換えるなら陰謀論とは個別の論というよりもイデオロギー的なものである。

  • 最新の調査によると陰謀論は科学を拒否することと関連性がある。しかし陰謀論の流布は科学の否定に繋がるばかりか、政治的、社会的なトピックへの人々の関心や行動をなくしてしまう。陰謀論は公共の信頼性、あるいは民主的な議論を損なう。陰謀論とは「複雑な社会の動きに簡単な説明を与えることで、人々に世界を理解させること」である。


2chまとめサイトとかで「陰謀論乙www」というのはよく見る。あるいはそれそのものが陰謀論を発信しているなんてことも別に珍しいことじゃない。あるトピックではしっかりした論理的な見識を述べる人が、別のトピックでは唖然とするようなトンデモ陰謀論を掲げてたりする。


だいたいの人が「自分の信じたいことしか信じない」ってことなんじゃないだろうか。
多くの人はわからないトピックを調べるとき、「きっとこうに違いない」という自分の予想やあるいは偏見を補強してくれる情報を簡単に受け入れてしまう。


情報を探すときはよく「裏を取れ」なんて言われるけど、自分の信じたい情報の裏ばっかとっていったら、結局はbiasの固まりになってしまう。
Twitterで過激派右翼が過激派右翼しかフォローしてないように、脱原発をプロフで掲げる人が同じ感じの人しかフォローしてないように。


大事なのはむしろ「逆を取ること」なんじゃないかなあっていうのが記事読んで思ったこと。
pros and consの片側だけ見るのではなく、両側を見てから自分の見解について考える。
誰かの意見を聴いて「ああ納得した!!」と思うときほど「もしこの人に反論するならなんて応えるだろう?」と考える。




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